怖い話
バイクに乗ると、どうしてもコーナーを走りたくなる。
当然、車が走らない所で、カーブが多いを道を走りたくなる。
やはり、林道なんかが一番走りやすい。
しかし、林道は山道であり、滅多に車とすれ違うことはない。
場合によっては、全く人気が無いなんてことも走る。
カーブの連続で、最初は気持ちいいが、木々が鬱蒼と茂る道が続くと、何だかあんまりいい気持ちではなくなる。
知り合いから直接聞いた話では、やはり、カーブを求めて山をいくつも越える林道を走っていたらしい。
木々が鬱蒼と茂る林道のカーブを何度も曲がりながら、気持ちよく一人で延々と走っていた。
頂上付近に出た時、見晴らしが良く日当たりの良い場所に出た。
この辺で、休憩するかと、バイクを止めて、景色を見ながらタバコを一服した。
辺りは人の気配は全く無く、当然車など全く走っていない。
さて、出発するかと、バイクにまたがり、何気にバックミラーを見た瞬間、背筋が凍りついたらしい。
何と、誰もいないはずの道、バイクから距離にして10メートル程の所に、黒いTシャツを着た男の若
者が現れた。
こちらに向かって来る。
知り合いは、瞬間、間違いなくこの世の者ではないと、直感で悟ったらしい。
あわてて、フルスピードで、その若者から逃げるように走ったらしい。