早いもんだな一年なんて。

人は生きている限り常に変化していく。

去年の今頃のことは遠い昔。

私たちの体の細胞は、11か月で全て入れ替わるという。

本来であれば全く違った別物の人物になっていてもおかしくない。

でも、意識は同一人物。

生まれた時からずっと続いている。

今年ももう11月になった。

早いもんだな、一年なんて。

ラジオから虹の彼方へが流れる。

メロディーに乗せて物哀しい雰囲気が漂う。
今年一年を振り返って、何か進歩があったか考える。
平凡な毎日をただ過ごし、これといったことは何もなかった。
ただ、歳をとるだけ。
でも、平凡が一番、何事もないことが一番だと人は言う。
 
過去や未来はなく、あるのは今のみ。
明日のことを考えるよりも今この時を懸命に生きる。
それが、明日になり、明後日になり、年になる。
そうすれば毎日が充実し、何もなかったとは思えないだろう。
 
ただ、それは十分わかっているが、そうでもないことも分かっている。
張り詰めた生き方は耐え難い。
 
何となく生きている毎日があるのみ。